おたふく(流行性耳下腺炎)ワクチン
1才以上のお子さんが対象になります。おたふくにかかっても、無症状で経過(不顕性感染)することも多く、正しくおたふくの診断をするためには血液検査が必要と言われています。しかし、おたふくにかかった子の2000人から3000人に一人に神経性難聴(聴力障害)が合併することが判っており、明らかにおたふくにかかっていない子は、予防接種が勧められます。まれに接種後2-3週後に耳下腺腫脹、極々稀に髄膜炎をみますが、ほとんど副反応はありません。
アメリカでは1967年からワクチンが開始され、アメリカでのおたふくかぜの発生件数は順調に減っていましたが、1986年に起きた流行を契機におたふくワクチン接種が1回では不十分であることが判り、以後2回接種になっています。現在では世界中のほとんどの国々が2回接種をしていて、日本でも小児科学会では、2回接種を勧めています。
1回接種での抗体陽転率(抵抗力)は70-90%で、抵抗力をつけるために2回接種が勧められる理由です。複数回ワクチンをしても、そのために合併症が増えたという報告は今のところありません。
2回目の接種時期ですが、MR(はしか、風疹)ワクチンと同じように、ワクチンに対する抵抗力を維持するために、5-7才頃がお勧めです。