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手足口病、ヘルパンギーナ

 手足口病は、口腔粘膜および手や足などに現れる水疱を伴う発疹を主症状とした急性ウイルス感染症で、幼児を中心に特に夏季に流行が見られます。手足口病はエンテロウイルスの中のコクサッキーA16、A10、エンテロウイルス71型を中心におこり、多くは発熱などで終わる軽症の感染症です。しかし、稀に急性脳炎を生ずることもあり、なかでもエンテロウイルス71型は中枢神経系合併症の発生率が他のウイルス型より高いことが知られています。

 ヘルパンギーナは、発熱と口腔粘膜にあらわれる水疱性発疹を特徴とし、やはり夏期に流行する小児の急性ウイルス性咽頭炎であり、いわゆる夏かぜの代表的疾患です。その原因ウイルスも、エンテロウイルスで、流行性のものは特にA群コクサッキーウイルスの感染によるものです。

 手足口病、ヘルパンギーナをひきおこす原因となるエンテロウイルスは現在90型以上の存在が確認されています。何度も手足口病にかかったり、ヘルパンギーナにかかるようにみえるのはそのためです。

 エンテロウイルスの一般的な感染経路は、ヒトからヒトへ感染し拡大します。日本を含む温帯地方では、夏季の急性熱性疾患の代表です。感染すると腸管で増え、ウイルスは身体全体に拡がり、手足口病、ヘルパンギーナ、脳炎などの様々な臨床症状を呈します。潜伏期は通常3-6日ですが、急性出血性結膜炎では1-3日と短いことが知られています。呼吸器系へのウイルス排泄は通常1週間未満ですが、便への排泄は発症から数週間持続し、不顕性感染(ウイルス感染にかかっていても症状がない状態)においてもウイルスは排泄され、他の児への感染源となります。

 予防接種も含め、特別な予防法はありませんが、感染者との密接な接触を避けること、流行時にうがいや手指の消毒をしっかりすることが勧められます。

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