ノロウイルス Norovirus
ノロウイルスはヒトに対して嘔吐、下痢などの急性胃腸炎症状をおこします。その多くは数日の経過で回復します。秋口から春先に多くなる冬型の胃腸炎、食中毒の原因ウイルスとして知られています。潜伏期は1~2日で、嘔気、嘔吐、下痢を主症状としますが、腹痛、頭痛、発熱、筋痛、咽頭痛などを伴うこともあります。症状が消失してもその後3~7日間便中にウイルスが排出され、感染がさらに拡大するといわれています。ヒトへの感染経路は、主に経口感染といわれ、感染した人からの便および吐物は、注意が必要で、感染を少しでも防ぐためには、手洗いがもっとも重要です。
ノロウイルスは乳幼児から成人まで幅広く感染しますが、乳幼児の場合、感染性下痢症に伴いけいれんがおこることが知られてきました。感染性下痢症に伴うけいれんは、群発しやすく(その日のうちに何度もけいれんを繰り返す)のが特徴で、脳症、脳炎症状も伴うこともあります。
(国立感染症研究所感染症情報センター資料より作成)