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日本脳炎ワクチン

 東南アジア・南アジアを中心にまだまだ年間3~4万人の日本脳炎患者の報告があります。しかし、日本と韓国はワクチンの定期接種によりすでに流行が阻止され、日本では、1960年頃より患者数が減少し最近では年間に10人以下になっています。しかし、毎年夏にブタの日本脳炎ウイルス感染率を調べてみると、日本脳炎ウイルスを持った蚊は発生しており、国内でも感染の機会はまだまだ高いと考えられています。日本ではコガタアカイエカが媒介しますが、ヒトからヒトへの感染はなく、増幅動物(ブタ)の体内でいったん増えて血液中に出てきたウイルスを、蚊が吸血し、その上でヒトを刺した時に感染することが判っています。ヒトに感染しても日本脳炎を発病するのは100~1,000人に1人程度であり、大多数は無症状に終わります。しかし、発症した場合は、髄膜脳炎型で、典型的な症状は、数日間の高熱、頭痛、嘔吐などで発病。これらに引き続き急激に、項部硬直、意識障害とともに、神経系障害を示唆する症状、すなわち筋強直、不随意運動、振戦、麻痺などが現れます。死亡率は20~40%で、うまく死亡を免れても。精神神経学的後遺症は生存者の45~70%に残り、小児では特に重度の障害を残すことが多いことが知られています。

kobuta

 特異的な治療法はなく、対症療法が中心で、日本脳炎は症状が現れた時点ですでにウイルスが脳内に達し、脳細胞を破壊しているため、日本脳炎は予防が最も重要と考えられています。日本脳炎ワクチンの有効性証明されていますが、実際、近年の日本脳炎確定患者さんを診てみると、日本脳炎にかかった患者さんは予防接種を受けていなかったことが判明しています。ワクチンは第I期として初年度に1~4週間間隔で2回、さらに1年後に1回の計3回。第I期は通常3歳から開始、その後第II期として9~12歳に1回追加接種を受けるのが良いとされています。

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