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RS(アールエス)ウイルス感染症

 温帯地域に属する日本では、通常は11月頃から5月頃にかけて発症し、特に多いのは1,2月頃と言われています。平成24年度は、夏の終わり頃から出現し、9月にはさらに感染が拡大しているようです。迅速キットの普及で今まで見過ごされてきた感染報告が増えただけかもしれません。

 感染が鼻粘膜から気道を介してどこまで波及するかによって、上気道炎、喉頭気管気管支炎、細気管支炎、そして肺炎と病像が変わります。潜伏期は4~6日で、発熱、鼻汁などの上気道炎症状が2-3日続いた後、感染が下気道、とくに細気管支に及んだ場合に重症化すると、喘鳴、多呼吸、陥没呼吸などが出現します。発熱は最初に見られますが、その後消失していることが多いです。咳は主要な症状で、持続、増悪する咳は下気道への広がりを示し、さらに喘鳴、陥没呼吸、呼吸困難がみられます。通常7~12日で症状は改善してきます。

 呼吸器症状がさらに悪化すると、呼吸困難とともに無呼吸発作を伴います。特に生後1カ月未満の新生児では、無呼吸発作を呈しやすいと考えられています。乳幼児期は、母体からの移行抗体が存在するにもかかわらず、生後数週から数カ月の期間にもっとも重症な症状を引き起こしやすく注意が必要です。

 生後1才までに、半分以上の乳児が罹患し、3歳までにすべての小児が抵抗力を持ちます。大きな子や成人でも、再感染は多く見られますが、重症となることは少ないといわれています。逆に低出生体重児や、あるいは心肺系に基礎疾患があったり、免疫不全のある場合には重症化のリスクが高く、これらの児には、感染時期に併せて予防接種(シナジス)が勧められています。

 

RS

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